ピロリ菌外来
Helicobacter pylori
Helicobacter pylori
ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜が傷つけられたり、炎症が起こります。ピロリ菌に感染している状態が長くつづくことで、さまざまな病気を引き起こす可能性もあります。
以前は、保険適用でピロリ菌の感染診断・除菌治療が行えるのは、
がある場合のみでありましたが、平成25年2月21日より
という項目が追加になりました。
つまり、胃内視鏡検査を行って、ピロリ菌によると思われる胃炎が認められた場合に限り、ピロリ菌検査を保険で行うことができるようになりました。
さらにピロリ菌陽性と判定された場合は、保険診療で除菌治療を行うことが可能です。
ピロリ菌(Helicobacter pylori)とは、胃の粘膜に感染し、胃炎や胃十二指腸潰瘍などさまざまな病気を発症させる菌です。
感染経路としては、井戸水やピロリ菌に感染している大人から子供へ食事の口移しなどによる経口感染がほとんどで、子供の頃に感染し、一度感染すると多くの場合、除菌しない限り胃の中に棲みつづけます。
そのため60歳以上の方では、約7割の方が感染しているといわれています。
ピロリ菌が胃に感染すると持続的な炎症を引き起こし、慢性的な胃粘膜の萎縮が進んでいきます。このため、胃酸の分泌が減少していき、消化不良や胃の不快感などの症状が出現してきます。
一度ピロリ菌に感染すると、年齢とともに胃粘膜の萎縮(胃の老化)が次第に進んでいき、強い胃粘膜の炎症が持続して、胃がんの発生リスクがより高くなることが判明しています。
また、ピロリ菌の感染者は、未感染者に比べて胃がんのリスクが10倍以上と報告されているため、ピロリ菌の除菌が必要です。
ピロリ菌の除菌は、1週間内服をして頂きます。
3種類の薬(抗生剤2種類+胃薬1種類)を1日2回朝晩内服して頂きます。
最初に行う1次除菌によって約70%の方が除菌に成功します。1次除菌後、再度ピロリ菌検査を行います。
残念ながら1次除菌が不成功に終わった方は抗生剤の種類を変えて、2次除菌を行います。
2次除菌まで行うことで、さらに約90%の患者さまが除菌に成功します。
(2次除菌で除菌不成功になってしまった場合は、3次除菌となりますが、保険適応になりません。)
ピロリ菌が陰性であっても、胃がんを早期に発見するためには、定期的な胃内視鏡検査が必要です。特に除菌後の方は胃粘膜の萎縮は残るため、元々ピロリ菌がいない方に比べると、胃がんの発生頻度が高いこと考えられています。
また、胃がんの原因はピロリ菌だけでありません。塩分の過剰摂取や喫煙、食生活とも密接に関連していると言われています。ピロリ菌が陰性であっても、胃がんを早期の段階で見つけるためには、定期的な胃内視鏡検査が必要になります。