クリニックブログ
Blog
Blog
『お産のあとから出るようになりました』
『前から出ていて、お通じの後に、戻すのですがなかなか戻りません』
と、肛門科を受診される患者さんがいます。
どちらかというと(若い)女性に多い印象です。
もちろん問診だけではわかりませんが、診察をして、一番多い診断は、
『肛門皮垂:スキンタグ』=おしりの皮膚のたるみ
です。
便秘などによるいきみの繰り返しや出産などを契機に、肛門周囲の皮膚が余分にたるんで、でっぱりのようになった状態です。
(女性の場合、肛門と膣の間にできることが多いものです)
「痔ですか?」
と、聞かれることが多いので、
「おしりの外側にできた出っぱりという意味では「外痔核」といってもいいのですが、おしりの皮膚のたるみです」
とお話しします。
これは、『おしりの外側の皮膚のたるみ』なので
・おしりの中には入りません
・痛みが出ることはありません
・出血をすることはありません
・お薬をつけても消えません
そして、
・気になるようであれば切除以外の方法はありません
肛門皮垂の切除の適応は
・かゆみの原因となっている
・見かけがどうしても気になっている
場合は、日帰りで切除を行います。
最近は、ウォシュレットの普及により、肛門皮垂が原因での排便後の拭き残しなども少なくなり、それに伴う「かゆみ」(=肛門掻痒症)で受診される方も減りました。
ただし、切除をしてもおしりはもともとシワの多い所ですので、目にしたことがあるかもしれない
『赤ちゃんのような、つるんとした、つぼみのようなのおしり』
には、なりません。
おしりの周りの皮膚はもともとしわが多く、たるみやすいため、切除をしたキズが治る過程で、また小さなでっぱりを生じることがあるからです。
このことをお話をし、患者さんとよく相談をした上で切除をするかどうかを決めています。
おしりは自分ではなかなか見ることができないとてもデリケートなところです。
おしりの心配があれば、早めに大腸肛門専門医に診察をして頂けることをお勧めします。
肛門皮垂(ひすい): スキンタグ ② もご覧ください