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『「無送気」で内視鏡検査をお願いできますか?』
と、時に患者さんから聞かれることがあります。
大腸内視鏡検査のことをよく調べられているのだと思います。
このような時は、
『もちろん「無送気」で行いますから、安心してください』
とお答えします。
「無送気」=『無送気軸保持短縮法』とは
・挿入時に空気をいれない
・腸を伸ばさずたたみ込んで直線的に挿入する
・大腸を押して伸ばしてしまうことがほとんどないため、苦痛がなく、安全である
そのため、この挿入法では強い鎮静剤は必要なく、緊張をとる程度の鎮静剤で十分に検査を行うことができます。
過剰に鎮静剤を使用しないので、大腸の中の観察時には目が覚めている患者さんも多く、モニターを見ながら説明を受けることが可能です。
(=検査の内容を目で見ながら一緒に確認できる利点があります)
これに対し、従来行われている挿入法である『ループ法』では、
もともと曲がりくねった大腸の走行を把握するために空気を注入しながら挿入していきます。このため、お腹がはり、内視鏡で腸が押され、痛みと伴うことが多くなります。
(=必然的に鎮静剤の使用量が多くなる傾向があります)
この二つのどちらの挿入法であっても
一般的に挿入に問題のない患者さんに対しては、ある一定の内視鏡経験がある医師であれば、大腸内視鏡検査で苦痛を与えることなく行うことはそれほど難しいことではありません。
この『無送気軸保持短縮法』が有効だと実感するのは、内視鏡挿入が困難な(他院にて困難と言われた)方に内視鏡検査を行うときです。
すなわち
・腸が長い方
・手術歴があり、癒着がある方
・他院にて大腸内視鏡検査に痛みを感じた方
が『無送気軸保持短縮法』で内視鏡検査を受けたときは、その挿入方法による検査の違いを大いに感じて頂けると考えております。
『無送気軸保持短縮法』は、腸を丁寧にたたみこんで短縮しながらカメラを進めていき、曲がっている部分も軸を保ちながら真っ直ぐ内視鏡を進めていくことにより、腸が無理に伸びたりせず、苦痛がなく、安全に検査を受けることが可能です。
大腸内視鏡検査はとても有用で大切な検査です。
全ての患者さんに
「この大腸内視鏡検査なら定期的に受けたい」
と感じてもらえるような検査を行うように、いつも心がけています。
当院の大腸内視鏡検査について、詳しくは以下のページをご覧ください。
きたやま胃腸肛門クリニック(東京都世田谷区)の大腸内視鏡検査
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