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「父と祖母が胃がんで、最近、胃の調子が悪いので、胃がんが遺伝していないか心配」
と質問を受けることがあります。
胃がんの遺伝についてはすべてが解明されているわけではありません。
臓器によっては遺伝に関係する癌が存在することは事実ですが、多くの癌は加齢に伴うものであり、一部は喫煙などの生活環境の影響もあると考えれます。
日本では胃がんの患者さんの約99%が、ピロリ菌感染が原因とされています。
つまり、胃がんついては、ほとんど遺伝はしないと考えてよいと思われます。
「ご両親や親族に胃がんの多い」というのは、遺伝ではなく
「ピロリ感染」による可能性が非常に高いということです。
ピロリ菌にどのようにして感染するかは、まだはっきりとは分かっていませんが、
「衛生環境が整備されていない時代や地域などの経口感染」
や
「子どもの頃に両親から食べ物の口移しなどによって感染」
が考えれます。
そして、
ピロリ菌の感染は、幼少期(4-5歳くらい)までに起き、大人になってからはほぼ感染しません。
「ご両親や親族に胃がんが多い」というのは、幼少期のピロリ感染によることが多い
と思われます。
ピロリに感染した人すべてが胃がんになるわけではありませんが、親族に胃がんが多い方は、一度、ピロリ菌検査を行うと安心です。