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『エコー検査』と聞いて、思い浮かぶのは、産婦人科で赤ちゃんのよう成長を確認する「妊婦検診のエコー検査」や胆石などを確認する「腹部エコー検査」などを思い浮かべる人が多いと思います。
肛門を専門に扱う病院(クリニック)では、必ず『肛門エコー検査』を行います。
痛みを軽減させるゼリーを使って、おしりから、指と同じくらいの細いエコー装置をいれて、おしりの病気の診断に使います。
肛門科を受診された全ての患者さんに行うわけではありません。
問診や指診ののち、痛みを伴い、膿を伴う病気(=肛門周囲膿瘍)を疑うときや、痔瘻(じろう)の有無を確認するときなどに行います。
この肛門エコー検査(肛門超音波検査)は、治療方針を決める上で、とても有用な検査です。
①痔瘻の原因となる原発口(1次口)の同定や、枝分かれの有無の確認
②肛門周囲に発生するその他の疾患(膿皮症や粉瘤、毛巣洞など)の鑑別
③肛門周囲膿瘍では膿の貯まった位置や量を正確に確認することが可能
これらの疾患を明確することで、必要最小限の確実な治療を行うことが可能となります。
ひと昔前までは、一流の肛門科医は指の診察(指診)で全てがわかると言われていました。指診に加え、補助的診断として肛門エコー検査を合わせて行うことで、より確実な治療ができることを実感しております。そして、日々進歩している医療機器を適切に使用できることはとても大切だと考えております。
一般的に再発が多いとされる痔瘻などの治療を、大腸肛門専門医が確実に行うことができるのは、数多くの経験があることはもちろんのこと、肛門エコー検査といった検査を補助的に用いながら手術を行うことができるからであると思います。
おしりの病気はある意味特殊で専門性の高い領域です。
おしりの悩みがあるときは、大腸肛門専門医の診察を受けることをお勧めします。