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『検診で内視鏡検査をしたら、「痔」があるので肛門科へ行くように言われました』
と、外来を受診される患者さんがいます。
ですが、おしりの診察をする前の問診で、
『排便をするときに出血しますか?』『排便をするときに脱出しますか?』
とお聞きしますが、患者さんは、
『出血も脱出もしません』
とお答えします。
そして、実際におしりを診察してみると・・・
『病的な痔は認めない』=『治療を必要とする痔はない』
ということが、よくあります。
おしりの内側にはもともと静脈叢(じょうみゃくそう)という、細かな血管のネットワークがあります。
静脈叢は誰しもが持っているものです。
元々存在する「静脈叢」のことを 『痔がある』 と判断されてしまうことがしばしばあるのです。
そして、その「静脈叢」が
・息みの繰り返しやおしりへの負担がかかることで、この静脈叢の血のめぐりによどみを生じ出血してしまう状態(=出血)
あるいは、
・静脈創自体が大きくなり、支えきれなくなって、垂れさがってしまう状態(=脱出)
が、病的な痔核(=いぼ痔)です。
治療は、病的な痔核になって、はじめて必要となります。
痔核をはじめとするおしりの病気は、肛門を診察する専用の肛門鏡を用いなければ正確に評価することはできません。
そして、出血や脱出などの自覚症状のない痔核は、原則的には治療は不要です。
おしりの診察はとても繊細で難しいところです。
大腸肛門専門のクリニック(肛門科)での診察をお勧めします。
当クリニックの肛門診療について、詳しくは肛門(お尻)の診療・診察・検査をご覧ください。