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肛門科を受診される女性の中には、妊娠、出産を考えていらっしゃる患者さまも多くいらっしゃいます。
そのような方の中に、
『前回の出産の時におしりが腫れちゃって大変だったので、また同じようになると辛いのでしっかりと治療をしてもらえませんか?』
と、受診される方がいます。
実際に、おしりの診察をさせていただくと、肛門診察上は
『異常なし』
『普段、排便の時に、出血をしたり、イボのようなものが出できたりすることはありますか?』
とお聞きすると、
『それはありません』
と。
妊娠時の肛門の腫れがとても辛かったのでということなのですが、残念ながら、予防的に治療をすることはできません。
実際に、よくあるお話です。
妊娠、出産に伴う肛門の腫れは、強い怒責(いきみ)や血流のうっ帯によるもので、どうしても避けることができないものです。
しかし、この腫れは一時的なものであることが多く、ほとんどが外用薬の使用で改善します。
痔には
・薬の治療では治すことができない状態(=手術が必要なもの)
と、
・薬の治療で治すことができる状態(=手術が一番ではないもの)
があります。
今回のケースは後者にあたります。
妊娠中、出産後も症状に合わせた適切な治療法があります。
前回の妊娠・出産と同じことが必ず起こるわけではありません。
妊娠・出産を問わず、おしりのことで困ったら、早めに肛門科専門医を受診することが大切です。
そして、安心して、マタニティーライフを過ごしていただきたいと思います。
当クリニックの肛門診療について、詳しくは肛門(お尻)の診療・診察・検査をご覧ください。