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内視鏡検査前の準備として、採血を実施するか否かについては、施設間で違いがあるように思われます。
◎当院では内視鏡を行うために感染症の有無を確認する採血は行なっておりません。
高水準の内視鏡洗浄器が普及していなかった10数年前までは
内視鏡検査前に患者の肝炎 ウイルスなど既知の感染症 のチェックを行い,検査結果に基づいて内視鏡の消毒法や検査の順番を変えて, 検査効率の維持と感染のリスクを軽減しておりました。
現在は、
高水準の消毒を検査毎におこなうことで、肝炎などと既知のウイルスや低水準の消毒に抵抗性のある微生物についても感染のリスクなく安全に検査を行えると考えられるようになりました。
つまり、
①患者さんから患者さんへの感染の予防
適切な洗浄などが行われていれば、予防可能なので、患者の検査前の感染症チェッ クは不要
②患者さんから医療従事者への予防
スタンダードプリコーションにより感染予防可能
※スタンダードプリコーションとは
感染症の有無に関わらず、患者さまに関する血液や体液や排泄物などはすべて感染の可能性があるとみなして対応する標準予防法
ただし、入院が必要な長時間にわたる内視鏡治療などは、外科手術とおなじように、事前に感染症チェッ クをしておくことで、針刺しなどの感染事故が起きた場合に迅速な対応ができるという点で安全管理上事前の感染症チェックが望ましいと思われます。
入院での内視鏡治療などを行う、大学病院クラスの病院では
感染症チェックなし
感染症チェックあり
が多いようです。
これらを踏まえ、
当院での内視鏡検査前の感染症チェック
◎実施しておりません
(安全を考慮に入れたうえで、患者さんの費用負担も少し軽減します)
当院では、最新の知見に基づき、患者さんにとっての安全、安心の内視鏡検査を常に行なっております。