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『以前から胃腸は弱いのですが、最近特に胃の調子が悪くて….』
と、20才~30才の比較的若い方も胃腸科外来を受診されます。
症状の軽い方には胃薬を処方し、内服薬による治療で症状が改善するか経過をみることもありますが、
・以前から胃の不快感を繰り返している方
・両親や兄弟に胃ガンの既往がある方
・両親や兄弟にピロリ菌感染の既往がある方
は、胃内視鏡検査(=胃カメラ)と、内視鏡検査後に合わせて『ピロリ菌検査』を行うことをお薦めしております。
※『ピロリ菌検査』につきましては、ピロリ菌検査のみを単独で行う場合は『保険診療』行うことができず、自費診療の扱いになってしまいます。
胃内視鏡検査を行った後であれば、(=慢性胃炎などの所見があれば)保険診療で行うことが可能です。
ピロリ菌検査の保険診療料金の目安:1000円-1500円程度(3割負担の場合)
胃内視鏡検査と保険診療料金の目安:こちらをクリック
このような患者さまに胃内視鏡検査を行うと、『鳥肌胃炎』と言われる胃炎の所見を認めることがあります。
【上から 通常観察/LCI観察/BLI観察 】
『鳥肌胃炎』は、その名前のとおり、胃の出口付近に鳥肌のように細かい顆粒状の隆起が密集している状態をさします。
鳥肌胃炎は罹患率に男女差を認めませんが、若年者では女性が有意に多いといわれ、ピロリ菌を伴うことが多いと考えられています。
この鳥肌胃炎は通常の胃がんよりも、スキルス胃がんといった、悪性度が高い胃がんを伴うことが多くみられるのです。
ピロリ菌感染は5歳頃までの胃がまだまだ未熟な幼少期に感染を起こすと考えられており、自覚症状はないのですが胃粘膜自体には慢性的な炎症は起こしている状態です。
この慢性炎症が10代、20代と続くことにより、様々な胃の病気が起きやすい状態になります。
また、鳥肌胃炎では胃部不快など症状が出てくることが多いです。
ある発表によると、ピロリ菌感染を伴った鳥肌胃炎の若年者の胃がん発見率は、4.4%であり、この発見率は、ピロリ菌感染を伴っているが鳥肌胃炎でない(=非鳥肌胃炎)若年者と比べると、60倍以上という極めて高倍率である
と言われています。
胃がんの98%は、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染によって起こると考えられており、もしピロリ菌検査の結果でピロリ菌が胃の中にいる(=ピロリ菌陽性)と診断された場合、除菌療法をお勧めしております。
中でも、鳥肌胃炎を認めた患者さんは、除菌療法を行うとともに、1年に1度の胃内視鏡検査による定期検査が肝要です。
ピロリ菌感染を認めた時点で除菌を勧める理由は
・ピロリ菌感染の時間が短ければ短いほど、(=若い時に除菌すればするほど)胃がんの発生が抑えられる
・慢性的な胃炎、胃・十二指腸潰瘍の改善や再発が減る
からです。
長く続く胃の不調など、胃腸について気になることがあれば、胃腸専門クリニックの受診をし、胃内視鏡検査とピロリ菌検査をお勧めします。
胃腸でお困りの際は、いつでもご相談ください。
「内視鏡検査」と「痔の日帰り手術」のクリニック
『きたやま胃腸肛門クリニック』内視鏡科 / 肛門科 / 胃腸科
(東急田園都市線「桜新町」駅徒歩2分、「二子玉川」駅より4分、「渋谷」駅より10分)