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普段の生活をしているときに、突然おしりから出血をしたら、びっくりすることかと思います。
まずは焦らず、冷静な対応が必要です。そして、決して自己判断をしないで、大腸肛門専門医による診療を受けるようにしましょう。
下血や血便の起こり方や原因を知っておくと、慌てずに行動できると思います。
【緊急】一刻も許さない緊急対応が必要な場合
◎症状;急な下血があり、トイレを済ませた後しばらくすると、再び下痢のような便意があり、真っ赤な血液だけが排泄された場合。腹痛はないことが多い。
〇病名;大腸憩室出血疑い
〇原因と治療;
大腸憩室などからの持続的な消化管出血がある。持続することにより、貧血などの全身状態の悪化につながる可能性があり、入院を含めた緊急対応が必要
【準緊急】早めの受診が必要な場合
◎症状;腹痛を伴うひどい便秘や下痢のあと、激しい腹痛とともに下血がおこった場合(暗赤色の血液のことが多い)
〇病名;虚血性腸炎疑い
〇原因と治療;
便秘や下痢などの腸管への強い負荷がきっかけで、大腸への血の巡りが一時的に悪くなり、大腸炎をおこした状態。
大腸の安静が必要であり、腹痛と下血の程度によっては入院による治療が必要
◆ 一度、大腸肛門専門医のへの受診が必要な場合
◎症状;排便時やいきみのきっかけで、便器が染まるような真っ赤な出血がおこったが、ずっと出血が続くことはない。再び、いきみのきっかけがあると出血する場合
〇病名;内痔核(いぼ痔)の疑い
〇原因と治療;
内痔核からの出血は、いきみの際に出血し、痛みがない。出血は非常に多く見えることもあるが、自然に止血することが多い。外用薬による治療を行うことが多く、出血がコントロールできなかったり、脱出が続く場合は手術を行う場合もある。
◎症状;排便時にペーパーに血がつく、便の中に血が混じる(出血量としてはそれほど多くない)
〇病名;肛門疾患(痔核、裂肛など)、大腸がん、大腸ポリープなど
〇原因と治療;少量の出血はさまざまな病気の可能性があり、専門医による大腸内視鏡検査による精密検査が望ましい。
◎症状;粘血便があり、便の回数や腹痛が増えている
〇病名;潰瘍性大腸炎や感染性腸炎など
〇原因と治療;大腸内視鏡検査を実施し、大腸の精密検査が望ましい
便に血は少し混じっているが、腹痛があまりない場合は、緊急性は少ないですが、翌日~近日中の受診をおすすめいたします。
1日のうちに出血が何度も続く場合は、救急での診療も含めた、早急な受診をしましょう。
普段みることがあまりない、出血がおしりから起こると、不安や焦りで平常心を失ってしまうことも予想されます。冷静に体のサインを見極めることで、受診までの間少し、安心して過ごすことができるのかと思います。
おしりからの出血(下血)の場合、大腸肛門専門医がいる肛門科、胃腸科を受診することをお勧めします。