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大腸内視鏡検査を行っていると、大腸メラノーシスを認める患者さんがいらっしゃいます。
大腸メラノーシス=大腸黒皮症 ともいいます
大腸を粘膜が色素沈着をきたし、黒っぽく、ヒョウ柄のような状態になります。
患者さんには、大腸内視鏡検査の結果をお見せしながら、
『病気ではありませんが、大腸メラノーシスという、粘膜の色素沈着があります』
と説明します。
大腸メラノーシスでヒョウ柄の黒い色調(左;遠景、右;近景)
健全な大腸の色調(左;遠景、右;近景)
原因は、センナ、大黄(だいおう)アロエなどの大腸刺激性下剤(アントラキニン系)を長期にわたって飲み続けた結果、起こります。
注意しなければいけないことは、市販に売っている下剤、健康食品、ダイエット食品・飲料のなかにも、含まれていることにあります。
大腸メラノーシスそのものは病気ではありません。
しかし、大腸刺激性下剤を長期服用することで、
大腸の神経の機能(大腸の筋層の神経細胞が減少)が悪化
↓
はじめはよく効いたが、だんだんと効かなくなる
ということがおこります。
また、大腸刺激性下剤は急激な腸蠕動を引き起こすこともあり、排便前にしぶり腹や腹痛を伴うことも多くあります。
従って、大腸刺激性下剤の長期使用はお勧めしていません。
大腸刺激性下剤を長期に使用しているにもかかわらず便秘でお困りの方には、安易な連用を避けて、
・酸化マグネシウム等の塩類下剤に切り変えること
・小腸の粘膜に作用し、腸内に水分を分泌し、便を柔らかくするアミティーザなどを使用すること
を勧めています。
便秘でお困りの方はたくさんいらっしゃいます。
大腸肛門専門医や便秘外来などを受診、一人一人にあった適切な排便調整を行うことが大切です。