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『スキルス胃癌』という病名は多くの方が聞いたことがあるのではないかと思います。
スキルス胃癌は、胃癌の10%前後を占めており、女性や若年層にも見られます。進行が早い上に悪性度が高いだけではなく、専門医でも見つけにくいために、約6割の人は発見された時には腹膜やリンパ節に転移をしています。
通常の胃癌とスキルス胃癌の大きな違いは
・通常の胃癌
→胃の粘膜表面にガン細胞が発生する
→胃内視鏡検査(胃カメラ)などの検査で早期に発見しやすい
(☆ピロリ菌が原因である)
・スキルス胃癌
→胃の粘膜の下にがん細胞が広がっていく
→胃内視鏡検査(胃カメラ)では発見しにくく、見つかった時には、がんが進行して他の臓器に転移していることが多い
(☆ピロリ菌とは無関係)
つまり、スキルス胃癌は早期発見が難しく、進行が早い病気ということになります。
そして、治癒切除が困難であることが多く、治療が難しい癌の種類の一つです。
しかし、このようなスキルス胃癌も初期の段階で発見されれば、治癒は可能です。
このスキルス胃癌の芽とも言える胃内視鏡検査での粘膜所見を『粘膜の褪色域(たいしょくいき)』といいます。
この『褪色域』は粘膜の色調の変化で、胃バリウム検査で確認することは不可能です。
(胃バリウムで胃の壁が硬くなった所見を認めたときは既に進行がんの状態となります)
スキルス胃癌の芽ともいえる『粘膜の褪色域』を見つけるためには
・定期的な胃内視鏡検査(胃カメラ)を受ける
・内視鏡専門医などの検査に精通した医師の検査を受ける
・最新の内視鏡システムを設置しているクリニックで検査を受ける
ことが大切です。