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「大腸内視鏡検査は何歳くらいから受けるとよいのですか?」
という質問を受けることがあります。
「大腸ポリープや大腸がんができやすくなる年齢の目安として40歳を過ぎた方に検査を勧めています」
とお話しています。
しかし、これよりも若い年齢の方でも大腸内視鏡検査が必要と考えられる場合があります。それの例として、
・最近便の回数が多くなった
・粘液便(粘血便)がでることがある
といった症状を認める場合です。
便の回数が多くなる、下痢の症状がでる病気として、大腸がんなどのいわゆる腫瘍性病変以外に「腸炎」があります。
この「腸炎」にはさまざまな種類があり、近年急激に増えている難治性の腸炎もあります。
腸炎のタイプとしては、
① 細菌性腸炎
② ウイルス性腸炎
③ 過敏性腸炎
④ 潰瘍性大腸炎
などがあげられます。
①②は「食べ物にあたった」「〇〇を食べてから下痢になっている」というもので、カンピロバクターやノロウイルスなどによる腸炎もこれらにはいります。この細菌性腸炎やウイルス性腸炎は原因菌によって多少は異なるものの、大概は2.3日の下痢(時には嘔吐)がピークで、徐々に改善をしてくる場合がほとんどです。
「大腸内視鏡検査」が必要になるのは、数日では改善しない、長く続く下痢症状の場合です。
③の過敏性腸炎はストレス性の腸炎ともいわれているもので、下痢と腹痛を繰り返すことが多い疾患です。大腸粘膜自体には全く異常がないにもかかわらず、下痢や腹痛をともないます
④の潰瘍性大腸炎は若年発症が多いとされる原因不明の腸に炎症を引き起こす疾患です。この炎症が原因で、下痢(粘液便、粘血便を伴うことが多い)や腹痛を引き起こします
いずれも疾患に対する専用の治療薬がありますが、両者の鑑別を正確に行うためには、「大腸内視鏡検査」を行い、大腸粘膜に炎症がないかの確認が必要となります。
下痢を主とした長引く便通異常を認める場合は、20代、30代といった若年層の方でも、大腸検査が必要です。
当クリニックは潰瘍性大腸炎や過敏性腸炎(過敏性腸症候群)の治療にも力をいれております。
このような症状でお困りの方は、是非クリニックへご相談ください。